【レポート】2025 SUPER GT RD.8 MOTEGI 11号車 GAINER TANAX Z

【レポート】2025 SUPER GT RD.8 MOTEGI 11号車 GAINER TANAX Z

2025年11月1日(土曜日)
公式練習(P14) 9:10~11:00
天候:曇り Wet/Dry 気温:開始時17度/終了時20度 路面温度:開始時21度/終了時24度

SGT第8戦は今年の最終戦。昨年は雨天順延で鈴鹿大会が最終戦となったが、例年通りモビリティリゾートもてぎで開催された。前戦の予選で大きなクラッシュがあり、決勝を見送ったGAINERTANAXZ。工場での連日の作業により無事修復を完了し、最終戦の舞台にマシンを持ってくることが出来た。

フリー走行の走り出しは富田竜一郎から。昨晩の雨の影響で路面が乾かず、ウエット宣言が出される。富田もウエットタイヤを装着してのスタートとなる。マシンの状態をチェックしながら1周計測を行いピットへ。全く問題ないとのコメントもあり,タイヤをドライタイヤに変更し再びコースへ路面コンディションが刻々と変わる状況であることからタイヤグリップがあるうちに大木に交代し車両の状態確認を行った。縁石を越えた後の跳ねと周回を重ねた際のブレーキ温度上昇によるフィーリング悪化に対しての対策を要望した。やはりこのサーキットはブレーキに厳しいサーキットだ。再び富田と交代し、セットアップを開始。車高・スタビライザー・ダンパーを調整。その後大木もマシンのチェックを行い、このセッションは14番手で走行を終えた。

2025年11月1日(土曜日)
公式予選Q1 B組 14:18~14:28 (P1) 公式予選Q2 14:53~15:03(P9)
天候:晴れ Dry 気温:開始時22度/Q2終了時23度 路面温度:開始時28度/Q2終了時28度

コロコロと変わる天気予報であったが、週末は快方にずれることになり、秋の気配が漂う予選となった。Q1を担当するのは富田。55秒ピットで待機してからアタックに入る。暖まりの良いDUNLOPタイヤの特性を活かし、1周目から攻めていく。計測2周目に2番手、セクター毎に全体ベストを塗り替え3周目にB組トップタイムの1分46秒417を計測。そのままトップタイムでQ2に駒を進めた。続いてQ2担当は大木。強烈なプレッシャーの中、50秒待機ののちコースへ。ただフリー走行ではニュータイヤを温存しユーズドタイヤのみでの走行であった事の影響からかアタックラップに対し合わせ切れず、1分46秒611のタイムにより9番手で明日のスタートが決まった。

富田竜一郎選手コメント
今回Q1を担当しましたが、GAINERとして久しぶりのトップを取ることが出来ました。前回のQ2でのクラッシュでマシンはかなり大きなダメージを負ったのですが、修理期間が2週間ない中でチームが必死に修復してくれた最初の予選で良い結果を出せて本当に良かったです。もてぎ戦には攻めたタイヤを選択しました。これも良い結果に繋がったと思います。これも良い結果に繋がったと思います。今回チームとしては予選に集中して持ってきた部分もあるので、しっかり結果が出せたことは本当に嬉しいです。

大木一輝選手コメント
Q1富田さんがトップで通過してくださって、正直プレッシャーもかなりありましたが、前回の予選中にクラッシュしてしまってからチームが賢明な修復作業を完了し茂木に持ってきてくださった Z でアタックできるということも嬉しかったですし、1位で通過してくれたマシンでアタック出来る事の喜びの方が、プレッシャーよりも大きかったです。ポテンシャルある車で、アタックできるわくわく感は非常にありましたが、予選アタックは難しかったです。公式練習から3,4秒速いタイムでのアタックだったので、正直自分でも合わせきれませんでした。

2025年11月2日(日曜日)
決勝(P24) 13:00~
天候:曇り 気温:スタート時19度/ゴール時24度 路面温度:スタート時19度/ゴール時23度

天気は薄曇りではあるものの、雨は降る感じにはない。夏から急に晩秋になったような気温と路面温度の中、今年の最終戦の朝が始まった。決勝前のウオームアップ走行は大木からスタート。決勝前の最後のチェック走行だ。計測4周でピットへ。続いて富田が乗り込み同じく計測4周を周回し、このセッションは25番手で終了した。

決勝レースを前に、栃木県警察の白バイ5台、パトロールカー5台による交通安全啓発活動のパレードラップが行われ、そのまま1周のフォーメーションラップを経てスタートが切られた。

スタートを担当するのは大木。1周目で2台をパスして7番手に。前を走る666号車PORSCHEとの差は0.7秒、後続の18号車AMGとも0.6秒差のバトルを展開。7周目にFCYが導入される中、決勝の路面コンディションにタイヤが合わず苦しい展開に。前車とは2秒差、FCY明けに後続車両は7号車FERRARIに代わり0.5秒を切る展開に。耐えきれず13周目にパスされ8番手に。その後18号車、2号車GR86、65号車AMGと4台のバトルを展開。しかし19周目に18号車に接触され一気に3台にパスされてしまう。この頃には早めのピット作業を行う4チームもあり10番手。ポジション維持も難しくなり、25周目にピットへ。

4輪交換、給油を行い富田を送り出す。富田は35周近くの走行となる。別のコンパウンドのタイヤに交換しペースアップを狙うも、こちらも路面コンディションに合わず早々に1分51秒台にペースダウンし苦しい展開でポジション維持の走りになってしまう。全車がルーティーンのピット作業が終了した時点で14番手。富田からはかなりタイヤが厳しいとの無線が入るが、残り周回を考えるとピットに入るとポイント圏内から脱落してしまう。そんななか、前車62号車GT-Rのペースが落ち、0.6秒差まで追いつく。50周目に500クラスの接触によりコース上にパーツが散乱したため、この日2度目のFCYが宣言された。

カウントダウンが始まり、FCYになった瞬間から時速80kmに減速するのですが、前走車がABSトラブルにより大幅に失速し、追突してしまう。大きな損傷は無いように感じたが、接触によりボンネットピンが破損し、ボンネットが外れてしまいそうになり急遽ピットへ。ガムテープで修繕し富田を送り出すが、ガムテープの修繕が甘く翌周に再びピットで修理を行う。

コースに復帰しなんとかチェッカーを受けたが24番手とポイント獲得には至らなかった。まだまだ開発途中で、表彰台は遠いですが、来季に向けて新しい試みも沢山ありますので、マシン開発をもっともっと進め、強いGAINERを取り戻します。引き続き応援をお願い致します。

石田美香監督コメント
前回のクラッシュから実質7日間しか修復期間がなく、最終手段は以前のGT-Rを持ち出す事も考えました。ただスタッフから【絶対直して茂木に持って行く】と強く言われましたので、その考えは捨てました。本当に素晴らしい仕事をしてくれました。富田もQ1で素晴らしいアタックをしてくれて、久しぶりにピット内が沸きました。決勝では攻めたタイヤで迎えたのである程度は予想しておりましたが、予想以上にタイヤは厳しかったですね。FCYになった瞬間から時速80kmに減速するのですが、前走車がABSトラブルにより時速40kmに失速し、今年はこれで終わりですが、来季に向けて既に色々とスタートしております。やれることをやって万全の体制で来年の開幕戦を迎えたいです。引き続き皆様にはお世話になると思いますが、よろしくお願い申し上げます。

富田竜一郎選手コメント
Zの2年目、大木選手のデビューイヤーとなった今年は、昨日の予選では良かったものの決勝はタイヤ的にかなり厳しいものがありました。上位を狙えない状況の中、FCY中に他車の減速に巻き込まれ接触してしまいました。車にダメージを与えてしまい24位という結果でした。悔しい形でシーズンを終えることになってしまいました。1年でかなりZも速くなりましたが、他車も速くなっているので僕らの進歩じゃ足らない部分も多いですが、随所に光るところも少しだけ見せられるようになりました。来年もこのマシンで乗れるなら、もって進化した自分たちをお見せ出来るように頑張ります。1年間応援ありがとうございました。

大木一輝選手コメント
今年1年間応援してくださった皆様、本当にありがとう御座いました。ルーキーぽいミスも連発し、ルーキーぽい荒々しいさ連発で、スタッフの皆様にはご迷惑をおかけしました。それ以上に皆様にさせて貰い、勉強をすることができ、凄く1年を過ごすことが出来ました。今日のレースはスタートを担当しました。5周目までは楽しくてレースしてるなって感じがあったのですが、それ以降はかなり苦しかったです。ミニマムで入った状況もあって、富田選手にもロングをお願いすることになり、辛い状況だったと思うので、この先改善すべきところだと思っています。今年1年勉強になりました。来年も頑張ります。