【レポート】Rd.6 鈴鹿 10号車 GT-R NISMO|SUPER GT2017

【レポート】Rd.6 鈴鹿 10号車 GT-R NISMO|SUPER GT2017

8月26日(土曜日)

公式練習 9:20~10:55
天候:曇/コース状況:ウエット~ドライ Pos.14

ノックアウト予選 1回目 14:35~14:50
天候:曇/コース状況:ドライ Pos.5

ノックアウト予選 2回目 15:20~15:32
天候:晴/コース状況:ドライ Pos.7

真夏の国内3連戦の最終戦が、鈴鹿サーキットで行われた。伝統ある鈴鹿1000kmが今年で最後の開催となる。
鈴鹿1000kmは1966年から始まり、SGT(前JGTC)のシリーズ戦に組み込まれたのが2006年。最後の覇者となるために、タイヤ選択、セットアップを入念に行わなければならない。
土曜日の未明に降り出した雨が、路面を濡らしている。公式練習開始時には、雨もあがっていたが、ウエット宣言は出され、ウエットタイヤで公式練習は、富田竜一郎から走行を開始した。序盤のウエット路面で、№11平中克幸が2分9秒587と、最初に2分9秒台に入れ、これにNo.10富田竜一郎が9秒920と2番手に迫り、2台揃って好走を見せていた。徐々に乾き始めた路面に、吉田広樹が乗り込みマシンチェック。アンダー傾向で、フロントの足回りを調整。
路面状況がドライ路面になると、再び富田に代わる。やはりアンダーのようで、車高、フロントスタビも調整。その後もセットアップを進め、吉田もドライ路面を確認し、このセッションは終了した。
オンタイムで予選は開始された。
Q1を担当するのは富田。

3分のウエイティングをしてから、コースへ。計測2周目に、1分59秒172のタイムを計測。この時点で2番手のポジションに。もう一度アタックを開始するが、タイム更新はせず、5番手のポジションでQ2進出を果たした。
Q2を走るのは、吉田。
開始時間と同時に、ピットを離れていく。計測2周目に、1分58秒774のタイムで、暫定3番手、Q1と同じようにもう一度アタックを行うが、タイムを更新することは叶わず、コースレコードを更新するマシンもあり、明日の決勝は、7番手からのスタートになった。

 


富田 竜一郎ドライバーコメント
Q1を5番手、Q2を7番手と、久しぶりにQ1でこんな良い順位で終えられて、ホッとしています。ちょっとタイミングが良くなくて、本 当はもう少しタイムは出せたとは思うのですが、そんな中でも、良いアタックになったのかなと思っています。車、タイヤ、チーム 含め、凄く良いパッケージングで予選を終えられたので、明日 の決勝は、2015年、2016年に続いて、表彰台、優勝が出来るように頑張りたいと思いますので、応援よろしくお願いします。

吉田 広樹ドライバーコメント
今回は開幕戦以来のQ2をドライブすることになりました。
Q1で富田選手が素晴らしいアタックをしてくれたので、マシンの仕上がりが素晴らしいことはわかっていました。
後はマシンとタイヤを信じて思いっきりアタックするだけだったのですが、若干攻めすぎた部 分もあり、うまくまとめることができなかったのが悔しいです。
ただし、マシンの仕上がりが良いことは再確認出来たので、レースに向けてはポジティブな 気持ちで挑むことが出来ます。

 

8月27日(日曜日)
決勝RACE 12:30~
天候:晴/コース状況:ドライ Pos.5

決勝日は早朝から晴れ間が拡がり、来場者も例年より遙かに多い。毎年鈴鹿大会のみGAINERサポーターシートを設置しているが、今年は70席完売となり、午前中にはサポーターシートに、ドライバー、総監督、RQがご挨拶に伺った。

決勝レーススタート前の路面温度は50℃近くまで上昇し、長い1000kmのタフな戦いが始まろうとしていた。
スタートを担当するのは吉田。今回は5回のピットと、5回のドライバー交代の義務づけがある。
パレードラップが終わり、1周のフォーメーションラップの後にスタートが切られる。
№65AMGが1周目にピットに入りドライバー交代。
吉田は、前車の№60RCF、後車の№61BRZとの差を1秒以内で、ポジションを落とすことなく周回を重ねる。
9周を過ぎた辺りから、1回目のピットを消化するマシンもあり、順位の変動はめまぐるしくなる。
後車のマシンが、№33Porscheに変わってからも、ポジションを譲ることなく、15周目に1回目のドライバー交代を行う。 ほぼ全車が1回目のドライバー交代を行った33周目には3番手までポジションを上げる。
38周目の最終コーナーで、№3GT-Rが№55BMWに追突し、SCが導入される。トップを走るMC(マザーシャーシ)は、コーナーリングスピードはもちろんのこと、ストレートも速く、車重も軽いので、タイヤへの負担が軽くラップタイムは、1分1秒台を 連発して走行していた。しかしSCが入ったことにより、トップのマージンはリセット。44周目にSCが、解除されリスタートと同時に2回目のピットへ。再び吉田がハンドルを握る。
2回目のピット作業を全車が終えた62周目には、5番手のポジションに。そのままで、3回目のピットを71周目に行う。富田も2分2秒から3秒台で周回を重ねていたが、87周目の130Rで、№31PRIUSが激しくクラッシュ。すぐにSCがコースへ。

SC中の90周目にトップを走っていた№18が、車両トラブルによりピットへ。これにより、トップは№65AMGに代わり、SC開けはトップとは10秒差までに。
102周目に吉田と交代するためにピットへ。吉田の最後のスティントになる。この時点で4番手を走行。
112周目には、後方からは、№61が、111周目にピット作業を終えた№60と、三つ巴のバトルを展開。ちょっとしたミスにより2台に先行を許してしまう。その2台に食いついて行くべくペースを上げるが、なかなか思うようにいかない。129周目に、最後のスティントを、富田に託すためにピットへ。
富田は前を行く、№88ランボルギーニ、№87ランボルギーニと3台でバトルを展開。マシンのキャラクターが似ているのか、なかなか抜くまでには至らない。それは、チェッカーを受ける手前まで続いていた。155周目には、2番手を走行していた、№25MCが逆バンクでコースオフして横転。
500クラスのトップ車両が、1000km173周は出来ず、18時28分が最大延長時間ということで、300クラスは158周でチェッカーを受けることになり、10号車は4番手でチェッカーを受けるはずだったが、最終ラップのシケインで、500クラスに接触され、コントロールラインを通過する直前で、№60にかわされ5番手でチェッカーを受けた

 


富田 竜一郎ドライバーコメント
決勝、7位スタートから5位フィニッシュでした。
スタート時から非常に気温も路面温度も高く、想定していた通りのコンディションで 闘えるレベルの戦闘力を取り戻しました。
しかし、SCのタイミングや小さな運のなさ、500クラスとの巡り合わせの悪さが響いて、表彰台に惜しくも届きませんでした。三年連続の表彰台を逃したのは悔しいです。今シーズン、ここまで非常に苦しんできていましたが、ようやくきっちりレースを戦えた のは大きな収穫だと思っています。
大変で長いレースでしたが、ファンの皆様の応援が大きな力になりました。
次戦、タイにむけてまた改善点を洗いだし、次こそ表彰台に登れるように頑張ります。
スポンサー様、ファンの皆様、応援ありがとうございました。 次戦も宜しくお願い致します。

吉田 広樹ドライバーコメント
今回の決勝グリッドは今シーズンでは1番優勝に近い7番手からのスタートとなりました。
スタートドライバーを担当し、淡々とポジションキープでチャンスを伺い ました。
マシンバランスも良く、チームの作戦やピット作業も完璧で、常に表彰 台を狙える位置でレースを進めることが出来ました。
レース自体はチームメイトの走りも素晴らしく最後まで表彰台争いを繰り広げながらの5位でチェッカーとなりましたが、自分自身としては課題の残るレースとなりました。
開幕戦以来のポイント獲得ですが、目指しているところはもっと上なので、次戦のタイ戦に向けしっかり準備をして、優勝したいと思います。

田中 哲也総監督コメント
予選から調子が良くて、GT-R勢の中でトップでした。Q1も余裕で通過しまして、非常に良い雰囲気でした。
決勝に関しても、凄く良いレースをしてくれて、結果表彰台には上がれませんでしたが、今のGT-Rのベストを尽くしてもらえたのではないかと思い
ます。今後に繋がる良いレースをしてくれたと思います。