最終戦を待たずして
シリーズチャンピオン獲得!!
SUPERGT ラウンド7
予選 10月31日(土曜日)
ー公式練習 9:00~10:35
晴/ドライ/気温:8度/路面温度:14度
ーノックアウト予選 1回目 13:30~13:45
晴/ドライ/気温:12度/路面温度:15度
ーノックアウト予選 2回目 14:15~14:27
晴/ドライ/気温:13度/路面温度:29度
秋晴れのサーキットの朝は、気温が低く肌寒さを感じる。
10号車にとってはここオートポリスでチャンピオンを獲得する可能性がある。今回はウエイトも半分になるが、半分になっても74kgを積まなければならず、重量級は否めない。
そんな重たいマシンでも今シーズンは落とすことなく、確実にポイントを重ねてきた10号車。期待が掛かる。 まず走り出しは千代勝正から。
程なくして500クラスがグラベルに捕まり、20分ほど赤旗中断し再び千代がコースへ。路面状況も悪く、コーナーによってアンダーステアにもオーバーステアにもなるようだ。2セットのタイヤを比較しAndreCouto交代する。赤旗中断による走行延長もなく、短い時間でのセットアップになる。Andreも2セットを履き比べ予選、決勝のタイヤの選定を行う。
その後行われたサーキットサファリで、Andreはセット確認をするが今度は300クラスのストップ車両により、再び赤旗が提示される。
そのまま終了を一旦は告げられるが、残り数分を走行し予選のセット確認は終了した。
Q1を担当するのは千代。決勝に重点を置いたタイヤをチョイスし、開始早々にアタックに入る。
少し暖まりが悪いため、入念にタイヤを暖めながら周回を重ねる。計測3周目に1分45秒542のタイムで暫定4番手。しかし最大のライバルである31号車PRIUSは1分43秒417と、昨年のコースレコードを約2秒更新し、暫定トップに。
千代もタイムを更新すべく、一旦クールダウンを行い再びアタックに入る。計測5周目に01分45秒.342でタイムを更新するが、一歩及ばず14番手でQ2に進むことは叶わなかった。
アンドレ・クート コメント
予選は14番手と厳しいものになりました。
千代選手はベストを尽くしてくれたと思います。
今のマシンと重量を考えれば14番手は仕方がないかと思います。
ロングスティントに合わせてチョイスしたタイヤなので、明日は千代選手と良いレースをして、ポイントを取りに行きます。
千代勝正 コメント
厳しい予選でした。Q2に残れるギリギリになるだろうとは予想はしてました。今のマシンとタイヤのベストは出せてたとは思っています。
13番手とは0.017秒差で負けて悔しいですが、フィーリングとしてはロングランに手応えを感じているタイヤなので、予選は14番手でしたが明日のレースの方が重要なのと、周りのタイヤがどれくらいで落ちてくるかがわからないので、自分たちのタイヤがしっかりと仕事をしてくれたら十分戦えると思うので、良いレースをしてしっかりとポイントが取れたらいいかなと思っています。
決勝レース 9月20日(日曜日)
-フリー走行9:00~9:30
曇/ドライ/気温:10度/路面温度:11度
-決勝14:00~
曇のち雨/ドライ/気温:14度/路面温度:18度
昨日と変わりどんよりとした曇り空の中、フリー走行はオンタイムで開始された。
まずAndreがマシンに乗り込む。
決勝を想定した走行は、安定したタイムを刻む。約半分で千代と交代し、千代も決勝ラップを考えるとトップと遜色ないタイムを刻む。30分の走行は手応えを感じて終了した。
スタートドライバーはAndre。警察車両のパレードラップ後フォーメーションラップが開始され、スタートが切られた。
ランキング2位の31号車は、クラッチトラブルでピットスタートになっているようだ。
1周目はそのままのポジションでコントロールタワーを通過。6周目には13番手、8周目には12番手と徐々にポジションを上げていく。
ANDREのペースも悪くなく、12周目に77号車F458をパスし11番手、13周目には51号車BMWもかわし、ポイント圏内まで浮上する。
前を行く7号車BMWとも、周回毎に1秒差を詰め、21周目の1コーナーでパスし9番手に。
3号車GT-Rを皮切りに、続々とルーティーンのピット作業が始まり、この少し前からポツポツと雨が落ち始める。路面を濡らす程までにはならず、ピットインのタイミングを見計らって、35周目に千代と交代するために、Andreはピットへ。
そつなくピット作業を済ませて、千代をコースへ送り出す。
42周目に全車ピット作業を終えると、千代は5番手を走行。
そしてタイヤが垂れ始めた他車を尻目に、ワイパーを動かすくらいに雨が降ったり止んだりを繰り返す難しいコンディションの中で、どんどんペースを上げていく。
45周目に0号車SLS、55号車CR-Zを立て続けにかわすと、50周目に2番手を走る2号車ロータスが、左後輪のタイヤをバーストさせてスローダウン。なんなく2番手に浮上する。トップを快走するのは3号車GT-Rのみ。ペースは約0.5~1秒程千代のペースが速く、51周目に10秒あった差は58周目には5秒まで縮め、60周目にチェッカーを受けたときは3.6秒まで差を詰めていた。自力で表彰台を獲得し、31号車が4番手まで一時ポジションを上げていたが、接触によるカウル破損によりオレンジポールが提示されピット作業を余儀なくされ戦線離脱したことにより、10号車のWチャンピオンが決定した。
アンドレ・クート コメント
信じられないレースでした。
今日のレースは、14番手スタートで2位表彰台フィニッシュとなった上、チームと共にチャンピオンになったのですから。
本当に、チームゲイナーへ、そして一緒にチャンピオンとなったチームメイトの千代・富田両選手への感謝の気持ちで一杯です。正に、すべてはチームワークの賜物で、チームの全員で祝福を分かち合いたいです。
私にとって世界でベストな選手権であるSUPERGTに参戦していることをとても誇りに思っています。この選手権でレースをする価値は他の何にも勝るもので、そのドライバーチャンピオンとなれたことは感慨深いです。
本当にこのタイトルを長いこと待ち望んでいました。
ここまで私をサポートしてきてくれたすべての方々、多くのファンへ心から感謝しています。
そして、このタイトルは、天国にいる息子に捧げます。
千代勝正 コメント
本当にうれしいですね。
予選は決勝を想定してた硬めのタイヤをチョイスしていたので、決勝に向けてはポジティブな気持ちでいました。
Andreも第1スティントをクレーバーにしっかりとまとめて走ってくれていたし、ピットストップもチームは完璧に送り出してくれました。
僕のスティントはかなり不安定な感じで難しかったですが、タイヤも車も良くて自信持ってプッシュすることが出来ました。最後3号車に追いつくことが出来ませんでしたが、2位でチャンピオンが決まって、チームのみんな、ダンロップさん、ニスモ、日産、GT-Rの開発の皆さんに感謝してます。
僕はGAINERに今年初めて加入させて貰って、1年目をGT-Rで戦うことが出来て、でも2戦もお休みするのに起用して貰って本当にありがたいと思っています。チームにご迷惑をお掛けしましたが、その中でも富田選手とクートさんが良い仕事をしてくれて、チームが毎回良い仕事をしてくれたおかげでチャンピオンになれて、皆様に本当に感謝したいと思います。
田中哲也監督 コメント
昨日の予選に関しては、決勝用のタイヤを選んでたので残念ながらQ1突破は出来ませんでした。
10号車は決勝ペースも良く、周りのラッキーな部分もあり、表彰台という形でチャンピオンを決めることが出来たので、良かったと思います。今年1年流れとして、10号車はツキもかなりあったが、タイヤメーカー、スタッフ全ての方が良い仕事をしてくれた結果だと思っています。
やっとやっと取れたチャンピオンだったので、取れるときにとれて本当に良かった。
うれしい気持ちよりもホッとした気持ちの方が強いです。