【レポート】2023 SUPER GT RD.3 SUZUKA 11号車 GAINER TANAX GT-R

【レポート】2023 SUPER GT RD.3 SUZUKA 11号車 GAINER TANAX GT-R

2023年6月3日(土曜日)
公式練習(P6) 9:10~10:35
天候:晴れ コース:ドライ 気温/路面温度:開始21度/31度 終了27度/35度

コロナ禍前の状況が戻り、お客様もパドックに入場され、決勝日には4年ぶりにGAINERサポーターシートにも、ドライバー、レースクイーンとご挨拶に伺うことが出来ました。搬入日の金曜日は、台風2号と梅雨前線の影響で、線状降水帯によりかなりの豪雨と強風に見舞われ、金曜日午後から土曜日午前中まで公共交通機関の乱れが生じ、お客様の出足も心配されたが、日曜日は多くのお客様がサーキットに訪れていた。

公式練習はオンタイムで開始された。少し時間をおいてからスタート。走り出しは石川京侍からで、かなりのオーバーステアを訴える。20分ほど走行し富田竜一郎に交代。富田もコーナー入り口のオーバーステアを口にする。前日迄の雨で路面状況がタイヤとマッチングが悪いようで思ったよりタイムが出ない。その後再び石川と交代し、アジャストを繰り返す。GT300占有走行で予選に向けたセット確認の為、新品タイヤを履きアタックを行いこのセッションは6番手で走行を終えた。

2023年6月3日(土曜日)
公式予選Q1 15:05~15:15 Q2 15:58~16:08 (Q1グループA:P6 / Q2:P2)
天候:晴れ コース:ドライ 気温/路面温度:Q1開始時25度/40度 Q2開始時25度/38度

Q1はを担当するのは石川。コースオープンになり、1分経過してからピットを離れる。
計測1周目はトップに名前を刻む。2周目ではベストの1‘57.665で2番手。しかし他車も次々にタイムを更新する。3周目ではセクター1でタイムダウン。2周目のベストタイムでQ2に進めるかが決まる。最終的に6番手でQ2に駒を進めた。Q2を担当するのは富田。Q1を担当した石川のコメントによりセットを変更。富田も石川と同じ様に1分のウエイティングを行ってアタックを開始する。計測1周目に6番手、2周目には渾身のアタックでたたき出した1‘56.095のタイムでトップ。しかし、富田の渾身のアタックではあったが、すぐ後ろでストレートスピードが勝る61号車SUBARU55秒台に入れるアタックでポールを奪われる。その後2台を超えるマシンは現れず、決勝は2番手からのスタートが決まった。

富田竜一郎選手コメント
フリー走行の段階で、この辺が違うのかなと思う部分を京侍君と修正をしていって、フリー走行の最後のタイミングで非常に良いフィーリングで終われたところから、そのままの状態で京侍君に行って貰って、京侍君が判断したセットアップがQ2で凄く嵌まって、車もダンロップタイヤさんもスタッフも京侍君も凄く良かったのですが、ポールまでは届きませんでした。気持ちは悔しいです。でも明日は良い位置からスタート出来るので、良い位置で決勝も戻ってこれるように頑張ります。

石川京侍選手コメント
フリー走行の段階ではまだQ1突破はギリギリかなって感じだったのですが、富田さんが占有時間でNEWタイヤを履いたら良い感じだったので、セッティングの方向も間違って無いんだと感じました。Q1走って、車のフィーリングが良くない部分もあったので、それをアジャストしてQ2に繋げたら富田さんが凄いタイムを出してくれたので、僕としては凄く良かったです。

塩津佑介選手コメント
明日は富田選手と石川選手のおかげでフロントローからスタート出来るので、450kmは長いと思いますので、精一杯頑張りたいと思います。明日もキレッキレの応援よろしくお願いいたします。

2023年6月4日(日曜日)
決勝(P5)
天候:曇り コース:ドライ 気温/路面温度:開始時28度/41度 終了時25度/34度

昨日に続いて空には太陽。風は穏やかに吹き、気温が28度という暑さのなかで、決勝前20分間のウォームアップ走行が開始された。まずは石川からスタート。OUTINでピットへ戻りタイヤ交換シミュレーションを行い再びコースへ。4周計測の後、富田と交代する為にピットへ。ピット作業のフルシミュレーションを行い最終のセットを確認し、このセッションは7番手で走行を終えた。

午後1時30分からの決勝レースは、三重県警察の白バイ7台、パトロールカー3台の先導による1周の交通安全を呼び掛けるパレードランを行い、さらに1周のフォーメーションラップを経て、450kmのレースはスタートした。スタートを担当するのは石川。今回は、全車トラブルなく1コーナーへ。トップを快走する61号車のペースは速く、徐々に差が開いていく。
450kmレースでは、2回の給油のみが義務化され、1周を終わってスプラッシュ給油を行ったマシンが3台。11号車は燃費、タイヤの保ちを考えてもこの作戦は取れない。3番手の60号車との差も1秒以内で周回を重ねる。7周目のヘアピン手前で18号車NSXがピットアウト1周目でタイヤが外れ、早々にフルコースイエローからSCが導入される。この周回より前にピットに入ったマシンが1分近く得をする形となり、戦わずして上位争いを優位に進められる事となる。12周目にリスタートとなりレースが再開される。早めに1回目のピット作業行うマシンも多く、後方は25号車GR Supraに代わる。1秒から2秒差をキープしながら周回を重ね、25周目に富田と交代する為にピットへ。

ピット作業もタイヤ交換、給油をトラブルなくこなし、富田をコースへ送り出す。30周目にほぼ全車が1回目のピット作業を済ませた時点で18番手とポジションは下がってしまっていたが、2回目のピットで給油時間を短縮出来るため最後のスティントでの逆転を目指す。36周を過ぎた辺りから早めに1回目のピット作業を行ったマシンが、2回目のピット作業を開始する。36周目で前を走るのは4号車AMG。37周目にかわし前に。38周目では9番手。前方は僚友の10号車だ。ペースは明らかに11号車が良く、41周目にかわして1つ前に。44周目に上位を走るマシンがほとんど2回目のピット作業を終え、11号車はトップに。49周目に給油とタイヤ交換のみを行い、富田はそのまま2スティント目に入る。ピットアウト直後、既に義務ピット作業を終えタイヤの温まっている56号車、交換直後の冷えたタイヤでは抑える事は出来ず1コーナーで手前で横を。更に61号車も迫ってくるが、富田は冷えたタイヤを駆使しこの場面を抑え切ると猛追を開始。51周目は56号車との差が4.8秒、後方の61号車とは1.4秒の差。

56号車とのラップタイムは0.5秒富田の方が速く、少しずつ差を詰めていく。この時に11号車は5番手を走行。トップとの差は28秒。52周目の富田のラップタイムは誰よりも速く、1周でトップとの差を5秒も縮めてきていた。トップを走る7号車BMWとのラップタイムの差は2.5秒もあり、表彰台も狙えるところまでポジションを上げてきた。53周目に21秒差、54周目には19秒差に。しかし55周目の130R立ち上がりで、GT300クラス2台を巻き込んでGT500クラスのマシンが大きくクラッシュ。マシンは原型をとどめないほどに大破し、この時点の500クラスで17周を残し赤旗レース終了となった。GT300のドライバーとGT500のドライバー2名は、ドクターヘリで運ばれたが、命に別状はなく奇跡的に怪我もほとんど無い状態だった事がせめてもの救いだった。
ただ、この赤旗終了がなければ、確実に表彰台に登ってたであろうことを考えると非常に残念な結果となった。

藤井一三監督コメント
ここまでもう一つという感じだった11号車ですが、本来の調子が戻って来た様です。我々は物理的に奇抜な作戦は取れない中で富田、石川、塩津のドライバー達もミスなく作戦通り進めて行けてました。終盤にフレッシュなタイヤで追い上げようとしたところで大きなクラッシュ事故があり、赤旗で終了となってしまいました。頑張ってくれたドライバー達には感謝です。事故に遭われたドライバー達が無事であったことがなによりです。応援を頂きましてありがとうございました。

富田竜一郎選手コメント
スタートのSCが僕たちにとって不利に働いてしまいました。ほぼラップダウンに近い状況からの追い上げになってしまいました。最後の僕のツースティント目は、非常にペースも良く表彰台争いも見えるところまで来てましたが、大きなクラッシュで中断終了となってしまったことは少し残念でしたが、ドライバーが無事だった事はホッとしています。今年はここまで難しいレースが続いていたので、とりあえずポイントが取れたことと、自分たちにパフォーマンスがあったことをポジティブに受け止めて、次の富士、鈴鹿と頑張っていきたいと思っております。

石川京侍選手コメント
スタート担当して、SUBARUにはついていけなかったのですが、後ろにも抜かれることなく淡々と走れてました。もう少し引っ張りたかったのですが、SCの関係などでタイヤが厳しくなり、富田さんに繋げました。優勝狙えるかなっと思えるラップライムで走ってくれてたので楽しみながら見ていたのですが、レース中断になり終了になりました。その事故でドライバーが無事だった事は良かったです。

塩津佑介選手コメント
最初のスティントでSCが入ってしまって、前との差が出ちゃったのが凄いしんどかった部分があるとは思うのですが、チームとしてはできる限りのことをやって、すごいペースも良くて優勝も狙えるタイムで走っていただいてて、中断が非常に残念でした。クラッシュのドライバーさんが無事だということが聞けて、良かったと思います。