【レポート】2022 SUPER GT RD.8 MOTEGI 10号車 TANAX GAINER GT-R

【レポート】2022 SUPER GT RD.8 MOTEGI 10号車 TANAX GAINER GT-R

2022年11月5日(土曜日)
公式練習(P12)9:35~11:10
天候:晴れ コース:ドライ 気温/路面温度:開始14度/19度 終了16度/25度

今シーズンの最終戦となるモビリティリゾートもてぎは朝から薄い雲が掛かり、寒く感じる中で公式練習はスタートした。シリーズランキング1位の56号車GT-Rとの差は6点。2位の61号車BRZとは3.5点。必ずチャンピオンを獲るためには、必ずこの2台のマシンより前でチェッカーを受けることが必須となる。

走り出しは富田竜一郎から。路面が出来る前は、オーバーステア傾向があり、走行開始30分で大草りきと交代する。大草は、車の動きは悪くないという。しかし、走らされてる感があり、オーバーステアも若干残っているという。
路面が出来てくると、意外にもグリップ感が薄れる現象に。ただ、NEWタイヤに履き替えると、1発は良い感じで走れそうとのこと。なんとか予選セットを確定してこのセッションは12番手で走行を終えた。

2022年11月5日(土曜日)
公式予選Q1 14:20~14:30 Q2 15:13~15:23(Q1グループA:P1 / Q2:P7)
天候:晴れ コース:ドライ 気温/路面温度:Q1開始時17度/27度 Q2開始時17度/25度

午前中よりも若干気温が上がってるが、それでも少し肌寒く感じる。ランキング順でAグループに振り分けられた予選1回目を担当するのは富田。1分30秒ほど待機してからアタックに入る。計測1周目は13番手、2周目に1‘45.939のタイムでトップに。そこから他車もアタックを行うが、この富田のタイムを上回るマシンは出ず、Q1をトップで通過した。Q2は大草が担当する。富田と同じ様に1分30秒ピットで待機してからコースへ。計測1周目で8番手。しかしこの周のヴィクトリーコーナーで61号車が縁石に乗り上げてスピンし、コンクリートウォールにヒットしクラッシュ。ここで赤旗中断となる。

回収後に予選が再開される。一度温まっているタイヤは少しパフォーマンスが落ちるが、それは他車も同じ。大草も早めにタイヤに熱を入れ、現時点での最高のパフォーマンスを発揮しようとアタックを開始する。計測1周目5番手。この時もヴィクトリーコーナー立ち上がりで96号車RCFがスピンし、手前のポストで黄旗が振られ、ヴィクトリーコーナー立ち上がりでの加速が鈍ってしまう。1‘46.204のタイムがやっとで、このセッション8番手で終えた。その後1台がペナルティとなり、明日のグリッドは7番手からのスタートが決まった。

富田竜一郎選手コメント
菅生以来久しぶりにSUPERGTに戻ってきました。久しぶりにQ1を担当したんですけれど、朝から車とタイヤのマッチングに苦労してたんですが、ダンロップの藤田さんと相談して、必ず路面が良くなったら行けるはずだから僕を信じてくださいと、言われてそれを信じて予選走ったら非常に良いタイムが出て、車のフィーリングもドライビング的にも、これ以上はないかなっていうアタックができたので、非常にいい予選になったと思います。

大草りき選手コメント
今回Q2を担当させていただいたんですけど、公式練習から調子が良くなかったんですけど、Q1で富田選手がすごい、凄まじいタイムを出してトップで渡してくれて、開幕戦以来の緊張した予選となってしまいました。もうちょっと行きたかったんですけど、赤旗だったり、黄旗だったりと色々不運に見舞われてしまったので、そこはしっかりと明日に向けて見せ場を作ったということで頑張りたいと思います。

2022年11月6日(日曜日)
決勝(P8)
天候:晴れ コース:ドライ 気温/路面温度:開始時14度/19度 終了時16度/25度

決勝日は熱く感じるほどの陽気になる。通常より最終戦は決勝レースのスタートが1時間ほど早くなる。その前に20分間のウォームアップ走行が行われる。まず大草から車に乗り込み、フルシミュレーションのピット作業練習を行い富田へ。決勝に向けた最後のセットアップが終了し、このセッションは、9番手で終了した。

今回も2周のフォーメーションラップの内、最初の1周は栃木県警察のパトロールカーと白バイを先導に交通安全啓蒙活動のパレードを行い、さらに1周のフォーメーションラップの後、決勝がスタートした。スタートドライバーは大草。クリーンなスタートで、順位はそのままで1周目を通過。前には56号車、後方からは52号車SUPRAと、チャンピオン争いをしている車両との争いだ。前後とも6周までは1秒以内の攻防を繰り返し、それ以降は前後とも2秒以内で周回を重ねる。9周目に3コーナーで多重クラッシュが発生し、FCY宣言がなされ、そのままSC導入となる。車両の並び替えの後、SCラン中のホームストレートで、31号車が5号車に追突し、大きくクラッシュ。破損部品が散乱しストレートが通れず、ピットロードを周回。21周目にリスタートになり、24周目に富田と交代する為にピットへ。タイヤ交換、給油も行いスムーズに富田を送り出す。この時56号車がストレートを通過し、56号車の先行を許すが、26周目に56号車をかわしてポジションを上げて帰ってくる。

39周目に全車ピルーティーンのット作業を終えると、3番手を走行し、前者は2号車、後ろは56号車となっていた。52号車を追いかける富田だったが、なかなか抜くまでには至らず、42周目に後方を走る56号車のタイヤが取れるハプニングが発生し、後方車両は87号車URAKANに代わる。この頃からピットから燃費運転のアナウンスが入り、富田は後方との差を気にしながら、燃費運転に徹する。4秒あった差は50周目には1秒を切り、52周目に3番手のポジションを明け渡してしまう。この辺りからタイヤがかなり厳しくなり、後方からくる18号車とも防戦一方になってしまい、54周目に5番手にポジションダウン。その後方からも88号車が迫り、60周目の2コーナーでかわされ、シリーズチャンピオンが掌からこぼれ落ちてしまう。ラストラップでは96号車に接触され、その時に4号車AMGにもかわされ、8番手でチェッカーを受けることとなった。

ドライバーズタイトルは、大草りきが3位、富田竜一郎が6位、チームランキングは2位となった。

藤井一三監督コメント
先ずは2022年のシーズンも無事に終わりました。ありがとうございました。
チャンピオンの可能性が有った為に挑戦的な作戦を指示しました。結果的に最後はスピードダウンする事になり、チャンピオンを取り逃がしてしまいました。富田、大草、塩津のドライバー達、そしてチームスタッフ達、皆頑張ってくれました。感謝です。来シーズンまた改めて挑戦します。1年間応援を頂きましてありがとうございました。

富田竜一郎選手コメント
セカンドスティントを今日は担当しました。前半非常にペースも良くて表彰台もしくは優勝っていうところまで視野にも入るぐらいのペースはあったんですが、その後色々な事情をもありタイヤ的にも少し厳しくて、なかなかペースを維持することができず最後は後ろからくる横浜タイヤ勢のペースにはちょっと付いていくことが出来ませんでした。防戦一本になってしまって、結果的に8位となってしまったんですが、とにかく悔しい!というところ一つだけで、その最後の一周は耐えてるだけでした。ドライバーシリーズが2位、僕ももう1個上がることができたと思うのですが、やれることは全てやって攻め切った結果なので、非常に悔しい結果になってしまったので、また来年、もし同じ体制でできることがあれば、今年よりももっといい状況からスタートできると思うので、自分としても1から見直して来年のスタートをもっといい状態で切れる様に頑張りたいと思いました。1年間応援本当にありがとうございました。

大草りき選手コメント
今回スタート担当させてもらったんですけど、今まで課題であったタイヤの使い方は、今回は結構いい感じでした。タイヤも良かったっていうのもそうなんですけど、すごくいい使い方をできたんじゃないかなと思います。そして何より僕たちよりも練習から結構速いペースだった56号車に、そんなに離されずにほぼほぼ同時でドライバーチェンジできたことは、自分の仕事をやり終えたかなと感じました。