【レポート】Rd.2 富士 11号車 GT-R NISMO|SUPER GT2019

【レポート】Rd.2 富士 11号車 GT-R NISMO|SUPER GT2019

2019年5月3日(金曜日)

公式練習 (P2)

天候:晴 : コース:ドライ 気温/路面温度:開始20度/29度、終了24度/37度

公式予選(Q1:P16/Q2:P4)

天候:晴 : コース:ドライ 気温/路面温度: Q1開始時度22度/36度 Q2開始時21度/33度

 

例年第2戦富士大会はゴールデンウィーク中の開催で、今年は10連休ということもあり富士スピードウェイには朝からとても多くのファンが詰めかけた。

前回の開幕戦では、雨により決勝レースは赤旗中断で終了し雨中のバトルでペナルティを受けるという後味の悪い結果になっており、今回はリベンジを全員で誓っていた。

走り始めは平中克幸から。開始早々に01‘37.078のタイムでトップに名前を刻む。マシンバランスもそんなに悪くなく、ピットに戻りフロントの足回りを調整し再びコースへ。程なくして安田裕信と交代し再度チェック。リア車高を調整してチェック。再度平中と交代。タイヤによって若干のアンダーステアになり、サーキットサファリ前にスプリングの交換を行い安田がチェックし午前の走行は2番手で終えた。

 

午後からの予選はQ1を安田が担当する。
路面状況によって絶えずマシンバランスが変わりかなり神経を使う。残り10分でピットを離れコースへ。午前中と打って変わって崩れてしまったマシンバランス。それでも何とかタイムの更新を続け、計測3周目に01‘37.487。しかし、Q2通過する16番手との差が0.008。サイドアタックを行うがタイム更新することはなく17番手でQ1落ちかと思われた。しかしQ1通過組の中で、4輪脱輪車があり、タイム抹消により辛うじてQ2進出を決めた。

オンタイムで行われたQ2は平中が担当。マシンバランスを変更するためにリアのスプリングを短いインターバルで交換しアタックスタート。
2周目に01‘36.501で暫定トップに。しかし2台のMC(マザーシャーシ)と同じGT-Rにタイムを更新され4番手で決勝はスタートすることが決まった。

 

平中克幸ドライバーコメント

4輪脱輪の車が発生してなんとかQ2に進むことが出来ました。そんな中Q1では車のバランスが余り良くなかったので、そこを踏まえながら車のセッティングを変更してQ2のアタックに入りました。そのセット変更が上手くいき満足のいくアタックが出来ました。

4番手のポジションで決勝を迎えることが出来るので、しっかりとこの勢いを維持したまま決勝レースは頑張りたいと思います

 

安田裕信ドライバーコメント

Q1を担当したのですが、タイヤチョイスも間違って無かったし、いけると思ったのですが、気温、路面の変化で車のバランスが崩れて非常に不安定なマシンになってしまっていました。
Q2に向けて車のセットを変えたら、平中さんがすごく良いアタックをしてくれたので、現状僕たちのベストとなる4番手で終わることが出来て良かったです。

 

2019年5月4日(土曜日)

決勝 (P1) 

天候:雨〜曇/コース:ウエット〜ドライ 気温/路面温度:開始18度/25度、終盤13度/17度

決勝が行われる朝の富士スピードウェイの周りは大渋滞。すでに9時の時点で場内の駐車場には停められない状態に。

SGT以外のレースは全てドライの中で行われた。
ウォームアップ走行が始まるくらいから徐々に太陽がかげり始める。
ウォームアップでは安田から走行を開始。昨日のQ1とは違ってバランスは悪くないようで約半分で平中と交代。ピット作業もフルシミュレーションで練習を行う。チェッカーが振られ再び安田とドライバー交代の練習を行いこのセッションは6番手で走行を終えた。

 

グリッドへの試走頃から最終コーナーの空は濃いグレー色。天気予報では雷と雨予報。予報は外れることなくスタート時点では完全なウエット路面。開幕戦と同様SCでスタートとなる。

スタートを担当するのは安田。

SC2周目にレースはスタートする。その周のコカコーラコーナーでまず№5MCをかわし、続いてヘヤピンでNo25MCも抜いて2番手に浮上。トップのNo56GT-Rを追いかける。

 

3周目に2秒近くあった差も5周目には0.4秒差まで詰め寄り、6周目の最終コーナーで前車をパスしトップに浮上する。この頃から雨が激しくなり始める。12周目に雨のためSCが導入されるが、この時点で2番手とは2.6秒差、3番手とは11秒のマージンを築いていた。その後SC中にもコースオフするマシンもあり赤旗中断となる。
20分ほどで雨は小降りになり30分ほどでSCによるレースが再開される。この時の路面コンディションとDUNLOPタイヤとの相性が良く、安田は後方との差を徐々に開け始める。27周目には11秒差まで開くが、後方から別次元のスピードで追いかけてくるNo65AMGが。31周目に楽々とかわされててしまう。この頃から路面は徐々に乾き初め、安田の判断でスリックで走れると思った時点でPitに入った。35周目に平中と交代するためにピットへ。
このタイミングがはまり、スリックに変えた平中は、アウトラップからラップタイムを更新し続ける。42周目に全車が1回目のピット作業を終えるとトップになり2番手との差は13秒のマージンを築いていた。
最終的には19秒のマージンをもって75周目に再び安田と交代する。

安田はピット作業を終えた中ではトップ。後方にはタイヤ無交換で差を詰めてきたNo55NSXが6秒後方に迫る。
一旦は8秒近くまで差を開いていたが、No55は無交換とは思えないラップタイムを刻みながら徐々に差を詰め始める。
安田もハイペースで周回を重ねるが、No55は更にハイペースで、1周につき0.5秒程ずつ詰めてくる。
最終ラップの104周目には0.2秒差で後方から攻められるが、500クラスを使った絶妙なブロックと、巧妙なライン取りで後車を阻止し、トップでチェッカーを受けた。

前回の岡山での悔しいペナルティがあったことをバネに、全員で勝ち取った優勝になった。

 

平中克幸ドライバーコメント

荒れたコンディションでのレースとなりましたが、スタートを担当してくれた安田選手がレース序盤でトップに立ち、良い流れを作ってくれました。自分が担当したセカンドスティントでも2位との差を広げる事が出来ました。最後はブリジストンタイヤを装着したNSXに詰め寄られる場面もありましたが、安田選手がしっかりと抑えきってくれたお陰で勝つ事ができ本当に最高の勝利となりました。
完璧なチームワークだったと思います。
応援ありがとうございました。

 

安田裕信ドライバーコメント

スタートから雨のレースでSCや赤旗で精神的に疲れましたが、落ち着いてレースを運ぶ事が出来ました。雨は自分としても得意なので順位を上げれて良かったです。セカンドスティントの平中選手が素晴らしい仕事をしてくれた事が優勝に繋がりました。
最終ラップにNSXに追いつかれた時はかなり焦りましたが、絶対にチームに優勝をプレゼントしたかったので、上手く500を使って抑える事が出来ました。
過去レース人生であんなに苦しくライン取りに悩む最終コーナーは初めてでした(笑)
スタートから長いレースをミス無く送り出してくれたメカニックの皆様に感謝しています。

 

藤井一三監督コメント

おかげさまで優勝することが出来ました。ありがとうございます。
平中、安田両ドライバーの頑張りに感謝しつつ、応援していただいている皆様にお礼申し上げます。
今後はハンディウエイト等、辛くなりますが取りこぼしなく、また優勝めざしてがんばります。
応援ありがとうございました。